骨粗鬆症による膝痛の原因と特徴

骨粗鬆症による膝痛の原因と特徴

骨粗鬆症は、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。この骨粗鬆症が膝の痛みを引き起こすメカニズムは、一見すると直結しないように思えますが、実は密接な関係があります。

なぜ骨粗鬆症で膝が痛むのか?

骨粗鬆症で膝が痛む主な原因としては、以下の点が挙げられます。

  1. 微細骨折の繰り返し: 骨が弱くなると、日常生活でのわずかな衝撃でも微細な骨折が起こりやすくなります。この微細骨折が繰り返されると、炎症が起こり、痛みを生じます。
  2. 関節の不安定化: 骨が弱くなることで、膝関節を支える骨の強度が低下し、関節が不安定になります。この不安定さが、関節軟骨への負担を増やし、痛みを引き起こします。
  3. 変形性膝関節症との関連: 骨粗鬆症と変形性膝関節症は、同時に起こることが多く、両者が互いに悪影響を及ぼし合います。骨粗鬆症による骨の弱化が、変形性膝関節症の進行を早めることがあります。

 

骨粗鬆症による膝痛の特徴

骨粗鬆症による膝痛の特徴としては、以下の点が挙げられます。

  • 軽度の衝撃でも痛みやすい: 階段の昇降や立ち上がりなど、軽い動作でも痛みを感じることがあります。
  • 特定の部位の痛み: 膝の前面、内側、外側など、特定の部位に痛みを感じることが多いです。
  • 安静にしていても痛む: 運動時だけでなく、安静にしていても痛みを感じることもあります。
  • 骨の痛み: 膝の骨自体に痛みを感じることもあります。

 

骨粗鬆症による膝痛と変形性膝関節症の違い

骨粗鬆症による膝痛と変形性膝関節症による膝痛は、症状が似ているため、区別が難しい場合があります。しかし、いくつかの点で違いがあります。

特徴骨粗鬆症による膝痛変形性膝関節症による膝痛
主な原因骨の強度低下関節軟骨のすり減り
痛み軽度の衝撃でも痛みやすい、特定の部位の痛み運動時や長時間の歩行後に痛みが出る、関節全体が痛む
腫れ少ない多い
変形少ないO脚やX脚などの変形が見られる

治療

骨粗鬆症による膝痛の治療は、骨粗鬆症の治療と同時に、痛みや炎症を抑える治療を行います。

  • 薬物療法: 骨密度を上げる薬や、痛み止め、炎症を抑える薬などを用います。
  • 運動療法: 無理のない範囲での運動を行い、筋肉を強化し、関節への負担を減らします。
  • 物理療法: 温熱療法や電気治療などを行います。

 

予防

骨粗鬆症による膝痛を予防するためには、骨粗鬆症の予防が大切です。

  • カルシウムとビタミンDの摂取: 牛乳、ヨーグルト、小魚など、カルシウムを多く含む食品を摂取し、日光浴をしてビタミンDを合成しましょう。
  • 定期的な運動: 体重を支える筋肉を強化し、骨を丈夫にするために、適度な運動を心がけましょう。
  • 禁煙: 喫煙は骨を弱めるため、禁煙しましょう。

骨粗鬆症による膝痛は、早期発見・早期治療が大切です。気になる症状がある場合は、早めに医師にご相談ください。